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デンタルリンスとマウスウォッシュ

歯の豆知識
・デンタルリンスとは?

液状の歯磨き剤のことです。
洗口剤であるマウスウォッシュとは違い、ブラッシングが必要になります。
研磨剤・発泡剤が無配合のため、鏡で見ながらブラッシングできるメリットがあり、歯面が摩耗しにくくなります。
根元が下がっている方やエナメル質が薄い方におすすめです。
また、液状のため歯間部や歯周ポケットに有効成分が入りやすくなっています。

使い方:デンタルリンスをお口に含んでぶくぶくと20秒以上まずは行き渡らせましょう。
その後吐き出してブラッシングをします。


・マウスウォッシュとは?

お口の中を洗浄したり口臭を予防したりする目的として使うものです。
ブラッシングができない時やリフレッシュしたい時などの使用がおすすめです。

使い方:20秒以上ぶくぶくしてから吐き出します。もしブラッシングと併用するのであれば、
歯磨き粉にフッ素が含まれているものだと洗い流してしまうのでブラッシング前に、
薬用成分をお口の中に長く留めておくのが目的であればブラッシング後に使用しましょう。



☆メリット

歯磨き粉にプラスして使用すると薬用成分が長く行き渡るので、むし歯が多発している方や歯周病で炎症が強い方におすすめです。
成分によっては抗炎症作用・殺菌作用・歯垢、歯石の付着を抑制させる成分が含まれています。

特に唾液量が少なくなり、むし歯・歯周病リスクが上がる夜のブラッシングに併用してみましょう。
また、つわりでブラッシングができない方や外出先でブラッシングができない時などにもおすすめです。


★デメリット

薬用成分によっては発がん性やアナフィラキシーショックなどのアレルギーの発症が認められたり、
エタノール含有のものはドライマウスや味覚異常も確認されています。
日本は基準が厳しいので副作用はほとんどありませんが、用量・用法を守ることが大切です。
薬用成分も使用しすぎると、有益な菌まで殺菌してしまい、口内環境のバランスが乱れ、
普段悪影響を及ぼさないカンジダなどのカビが増えてしまうこともあります。

また、ミントなどの香料によって”磨いた感”がでてしまい、ブラッシングがおろそかになってしまうと原因の汚れ(細菌の塊であるプラーク)が残ったままなので、
むし歯や歯周病が進行してしまいます。あくまで補助剤と考えましょう。


・薬用成分一覧

マウスウォッシュは化粧品と医薬部外品に分かれます。
化粧品:口内の浄化、口臭予防
医薬部外品:上記プラスむし歯予防、歯周病予防、歯垢・歯石沈着抑制など
(※あくまで予防であり、歯周病やむし歯は治りません。)

殺菌作用
・塩化セチルピリジニウム(CPC)イオン性
・塩化ベンザルコニウム(BKC)イオン性
・グルコン酸クロルヘキシジン(CHG)イオン性
・ポビドンヨード(PI) 非イオン性
・イソプロピルメチルフェノール(IPMP)非イオン性

※殺菌成分はイオン性と非イオン性に分けられ、イオン性は口内に浮遊している菌に強く、
プラークの表面の病原菌を攻撃しバイオフィルムの形成を阻害するので、歯磨き後の使用に適しています。

対して非イオン性はバイオフィルムに浸透して攻撃しますが、バイオフィルムの再形成の阻害はできません。
またバイオフィルム全てに浸透するわけではないのでブラッシングで機械的に擦り落とす必要があります。
ブラッシングができない時に一時的な使用としておすすめです。


抗炎症作用その他
・グリチルリチン酸系(GK2)
・トラネキサム酸(TXA)
・イソプロピルメチルフェノール(IPMP)

・ビタミンE(酢酸トコフェロール)(血行促進作用)
・エッセンシャルオイル系(EO):メントール(防腐、消炎)サリチル酸メチル(消炎鎮痛)チモール(殺菌)
シネオール(殺菌)カモミール(抗炎症)ラクトフェリン(抗炎症)緑茶エキス(抗炎症)など


歯垢(再)付着抑制
・グルコン酸クロルヘキシジン
・塩化セチルピリジニウム
・塩化ベンゼトニウム
・ポビドンヨード
・エッセンシャルオイル系


歯石沈着予防
・ポリリン酸ナトリウム
・ピロリン酸ナトリウム
・塩化亜鉛

むし歯予防で選ぶのであればフッ素含有が高いものを、歯周病予防が目的であれば殺菌作用や抗炎症作用を選びましょう。

また口臭が気になる・粘つきが気になる方は口腔内の細菌が原因になっていることが多いので、
殺菌作用や歯垢付着抑制のものを選ぶのがおすすめですが、あくまで一時的なものです。

歯科医院を受診して歯磨き指導や歯垢・歯石除去を行うことが一番の予防になります。
皆さんお忙しいと思いますが、進行してしまう前に思いきって受診をしてみましょう!