「スポーツドリンクの上手な取り方は？」

　皆さんこんにちは。暑い日が続く今の時期は、スポーツドリンクを好んで飲む方もいらっしゃると思います。今回はスポーツドリンクの選び方、飲む量、飲み方で注意したい点をお話させていただきます。

　スポーツドリンクには、主に塩分（ナトリウム)、糖質が含まれており、ある程度含有量が決まっています。さらに、商品によって特徴を出すためビタミン、ミネラル、アミノ酸、クエン酸などが加えられています。

　塩分は、汗をかくと水分とともに放出されるナトリウムを補うために含まれています。運動中の飲料には0.1 〜0.2%の塩分(100mL当たり40〜80mg)を含むものが推奨されているので、スポーツドリンクは大体この範囲内で作られています。特に、夏場など発汗量が多い時は、水分だけの補給では体液が薄まり低ナトリウム血症を引き起こしてしまう心配があるので、注意が必要になります。

　一方で糖質は、運動のエネルギー源となるだけでなく、糖質濃度を2.5〜8%にすることで腸管での吸収効率を高めるために加えられています。

　スポーツ時など汗を多量にかいた時の水分補給と普段の生活での水分補給では、要求される浸透圧が異なります。発汗量が多い時には糖質が少なく、塩分が多いものが適していますので、目的や状況に合ったものを選ぶとよいでしょう。

　ただ、スポーツドリンクを過剰摂取すると、肥満やむし歯の心配があるだけでなく、

高血糖状態が続くペットボトル症候群に陥る心配もあります。また、血糖値が上がると喉が渇き、さらにスポーツドリンクを飲んでしまうという悪循環が起こります。重症化すると意識障害を起こすこともあるので、注意が必要です。

　そのほか、スポーツドリンクの飲み過ぎでビタミンB1欠乏症を起こすことがあります。ビタミンB1は糖質を分解してエネルギーを作るために必要なものですが、スポーツドリンクの多飲により大量に糖質を分解することで不足します。スポーツドリンクにはビタミンB1が含まれているものもありますが、基本的には食事から摂取するとよいと思います。

　以上のことから、スポーツドリンクは目的や状況に合ったものを選び、適量を飲むこと、またダラダラ飲みは避けるなどして、上手に取り入れるようにしましょう。