米沢クローバー歯科クリニック

医院ブログ 米沢市の歯科 米沢クローバー歯科クリニック

ブログ

コロナによる味覚異常や舌の異常について

歯の豆知識
今回はコロナ関連でも耳にする味覚異常をはじめ、
舌に関する問題についてお話していきたいと思います。

まず舌の構造からお話すると
舌は①舌根(喉元に近い所)②舌体(中央)③舌尖(舌先)
に分けられる筋肉の塊です。
表面はヒダの様になっていて、味蕾という味覚を受容する器官から
唾液に溶け出した成分が脳へ伝ってはじめて味を感知することができます。
舌は前のブログの「舌の働き」についてのように
発音や咀嚼、嚥下と重要な働きを担っていますが、
様々な原因で異常が起こります。


●味覚異常

亜鉛不足や薬の副作用、また唾液が少ないことで
味が味蕾へ溶け出しにくくなった結果、
味覚が感知しにくくなる等の症状が起こります。
食生活の改善を試みる、薬の副作用で唾液が少なくなることもあるので
医科に相談してみるのも手です。
口腔乾燥は保湿剤や舌の体操などで唾液が出やすくなるよう工夫してみましょう。
またコロナによる味覚異常は、嗅覚異常から起こるそうです。
ウイルスが神経細胞を直接障害し起こる場合と、鼻腔の神経周囲の細胞が炎症を起こして
嗅覚が機能しにくくなり、間接的に味覚にも影響するというのが有力な説だそうです。


●知覚・運動異常

脳血管疾患や神経障害の後遺症で起こりやすくなります。
特に中枢神経が異常をきたすと
舌の感覚が鈍くなったり過敏になったりする場合があります。
また、舌癌などで切除したり放射線治療の影響で
咀嚼、嚥下や発音の障害が起こることもあります。
言語聴覚士の方のもとリハビリが必要です。


●機能異常

病気の他に加齢に伴い、舌を含めた機能低下も挙げられます。
誤飲や誤嚥性肺炎へ繋がりますので、前より噎せるようになってきたな…
と思ったら舌やお口の体操を行い予防しましょう。
舌は筋肉なので鍛えることができます。
舌を限界まで伸ばして左右にはやく動かしたり
口唇をなぞるようにゆっくり動かしてみましょう。


●舌表面に関する異常

・舌苔(毛舌)
舌の表面が白色の状態です。古い上皮が剥がれたものや細菌が付着したもので
タバコのヤニや薬剤がついて黒色になることも。
さらに付着すると毛のように長くなってきます。
抵抗力が弱くなっている方だと剥がれた細菌が肺に入って
誤嚥性肺炎が起こるので、少しずつ除去してあげたほうが◎
舌ブラシや柔らかい先の尖ってない歯ブラシで、
舌根から舌尖へ2、3回そっとこすって除去しましょう。
やり過ぎると傷ついて悪化するので注意してくださいね。

・地図状舌
舌全体に白い線のまだら模様のように見える状態です。
明確な原因は分かっていませんが、そのままで問題はありません。

・溝状舌
舌に深い溝ができた状態です。
通常症状はなくそのままで大丈夫ですが、
汚れが溜まりやすいので注意しましょう。

・アフタ性口内炎
赤みがかった白色の潰瘍です。
ビタミンや睡眠不足、ストレス等で出やすくなります。
何度も同じ所に出る場合は他の問題も考えられるので受診して確認をしましょう。

・口腔カンジダ症
白っぽい、拭くと取れる汚れの様なものや舌が赤くつるんとした状態です。
抗菌薬の長期服用や病気によって口腔内の常在菌のバランスが崩れ、
普段は感染しないカンジダ菌が付着します。
体調不良で菌に対する抵抗力が弱くなると見られますが、
口腔乾燥や清掃不良でも増殖します。

・舌癌(白板症)
舌にできる癌のことです。硬いしこりで出血や痛みを伴うこともあります。
白板症は上皮が肥厚し白くなっている状態で症状はありませんが
前がん病変に変化する可能性があるため経過観察が必要です。
不良補錣物や不良義歯を長期間使ったり、歯並びの問題で舌が長期間ぶつかると
慢性的な刺激になり癌化する恐れがあります。
また、喫煙や飲酒でリスクがあがるので注意しましょう。



上記のように他にも様々な病気が挙げられます。
長期的に経過をみるものもあれば病院で病理診断をした方がいいものもありますので、
心配なことがあればいつでもご相談ください。