歯のクリーニング時の誤認識について
歯の豆知識
.歯のクリーニングを受けていれば絶対虫歯にならないんですか?
→「絶対虫歯にならない」ことはありません
考えてみてください。
この世の中に「絶対」と言えるものがいったいどれだけありますでしょうか?
たとえば、気をつけていれば「絶対事故に会わない」と言えますか?
言えませんよね…。
ただ、気をつけていれば「事故にあう確率」を大幅に減らすことは可能ですよね?それと同じようなものです。
歯のクリーニングをすれば、虫歯になる確率が大幅に減らせるのです。
ただし1つ大きな落とし穴があります。
日本の歯科保険医療制度では、虫歯の予防は認められていません。
そのため、保険診療の範囲内で虫歯予防はできないのです。(PMTC、フッ素等)
虫歯予防をするのならそれは自由診療になりますので予めご注意ください。
それから、歯のクリーニングを定期的に受けていても虫歯になるとしたら
①セルフケアが足りない、またはやり方が間違っている
②食習慣に問題がある
③過去10年、20年の間に少しずつ進行した虫歯が今になって表面化してきた
④虫歯のリスクがそもそも高いため、どうしても虫歯が発生してしまう
⑤詰め物、かぶせ物の内部で虫歯が進行した
⑥歯ぎしり、食いしばりのせいで歯の構造が破壊されてそこから虫歯菌が侵入してしまった
などの理由があげられます。
・歯石を取ると歯も削れますか?
→歯は削れません
歯が削れることはありませんのでご安心ください。
厳密に言えば、歯肉の下の歯石を取る場合であれば、歯がごくわずかに削れるのは事実です。
なぜなら歯肉の下深くに歯石がついている場合、その歯の部分は歯根であり、歯肉より上のエナメル質に比べると大幅に軟らかい部分だからです。
その軟らかい部分とは、表面がセメント質、そしてその下が象牙質となっています。
ハンドスケーラーと呼ばれる、手で歯石を取る処置があります。
その際、セメント質はあっという間に取れてしまいます。
さらに続けると、その内側の象牙質も少しずつ削れていきます。
しかし、心配はありません。
というのは、使用する器具や力によっても異なりますが、削れる量はほんの数~数十μm程度だからです。
大量の歯石がとれたことで隙間ができ、歯が細くなったように見えたりするので「歯を削られた!」と思い違いをされる患者さんもなかにはいらっしゃるようです。
せっかく歯石を取ってもらったのに不愉快になった患者さんにとってはもちろん残念なこととは思いますが、
同じく施術した歯医者さん・歯科衛生士さんにとっても大変不幸なお話だと思います。
このような誤解が起きないことを切に願うばかりです。
歯のクリーニングを受けていたら、詰め物やかぶせ物が取れた。
取れたのはクリーニングのせい?
→違います
歯の詰め物、かぶせ物はそもそもクリーニング程度の力では普通取れないくらい強く歯に装着されます。
だから、クリーニング程度で詰め物やかぶせ物が取れるような力がかかることはないのです。
それなのに詰め物やかぶせ物が取れたとしたら、それはいったいなぜ?というと、
・セメントの劣化
・虫歯
・歯の破折
・土台の破折(歯の神経がない場合)
のいずれかです。
まずセメントの劣化について、
年月とともに、歯と詰め物やかぶせ物をつなぐセメントは劣化が進みます。
その結果、維持力が弱まってしまったところにクリーニングで少し力を加えただけで取れてしまった、という事たまに発生します。
次に虫歯。
詰め物やかぶせ物の内部で虫歯が再発し、隙間ができてくると、維持力が弱まります。
歯の破折は、歯自体が折れる、すなわち構造が壊れるので維持力が弱まります。土台の破折も同じことです。
そして実際の現場での頻度ですが、そのほとんどがセメントの劣化か虫歯の2つです。
ただ、何の事情も知らない患者さんにとっては、「クリーニングのせいで歯が取れてしまったのでは?」と思いたくなるのも無理ないでしょう・・・。
上記のことを知っておいていただけると幸いです。
・歯のクリーニングをしたら、歯肉が腫れた。これはどういうこと?
→腫れることもよくある事です
では、そのメカニズムは何でしょう?
歯肉が腫れたということは、炎症が強く出た、ということです。
ここで、もともと健康な歯肉であればクリーニングでよっぽど乱雑に傷つけでもしない限りそう簡単には腫れないことが多いものです。
もちろん、繊細・敏感・薄い歯肉、の場合でしたら腫れる可能性はあるでしょう。
つまり、歯医者さんでクリーニングする前から既にその腫れた場所の歯肉に異常があったというわけです。
そのほとんどの場合は歯周病です。
歯周病、実はギネスブックにも載っているように、世界一罹患している患者数の多い病気と認定されています。
しかも歯周病は沈黙の病気で、症状が無いけど歯周病に罹っている人が案外多いというわけです。
国が行う歯科疾患実態調査でも35~69歳の日本人において約7割に何かしらの歯肉の異常が観察された、という結果が出ています。
ただ、実際に歯のクリーニング後に歯肉が腫れることはあまりありません。
歯周病が進行している人、お口のお手入れができていない人、疲れている人、食事をろくにとっていない人などは歯肉が腫れる確率が高まります。
ご心配や不明点がありましたら、歯医者さんに相談してみてください。
→「絶対虫歯にならない」ことはありません
考えてみてください。
この世の中に「絶対」と言えるものがいったいどれだけありますでしょうか?
たとえば、気をつけていれば「絶対事故に会わない」と言えますか?
言えませんよね…。
ただ、気をつけていれば「事故にあう確率」を大幅に減らすことは可能ですよね?それと同じようなものです。
歯のクリーニングをすれば、虫歯になる確率が大幅に減らせるのです。
ただし1つ大きな落とし穴があります。
日本の歯科保険医療制度では、虫歯の予防は認められていません。
そのため、保険診療の範囲内で虫歯予防はできないのです。(PMTC、フッ素等)
虫歯予防をするのならそれは自由診療になりますので予めご注意ください。
それから、歯のクリーニングを定期的に受けていても虫歯になるとしたら
①セルフケアが足りない、またはやり方が間違っている
②食習慣に問題がある
③過去10年、20年の間に少しずつ進行した虫歯が今になって表面化してきた
④虫歯のリスクがそもそも高いため、どうしても虫歯が発生してしまう
⑤詰め物、かぶせ物の内部で虫歯が進行した
⑥歯ぎしり、食いしばりのせいで歯の構造が破壊されてそこから虫歯菌が侵入してしまった
などの理由があげられます。
・歯石を取ると歯も削れますか?
→歯は削れません
歯が削れることはありませんのでご安心ください。
厳密に言えば、歯肉の下の歯石を取る場合であれば、歯がごくわずかに削れるのは事実です。
なぜなら歯肉の下深くに歯石がついている場合、その歯の部分は歯根であり、歯肉より上のエナメル質に比べると大幅に軟らかい部分だからです。
その軟らかい部分とは、表面がセメント質、そしてその下が象牙質となっています。
ハンドスケーラーと呼ばれる、手で歯石を取る処置があります。
その際、セメント質はあっという間に取れてしまいます。
さらに続けると、その内側の象牙質も少しずつ削れていきます。
しかし、心配はありません。
というのは、使用する器具や力によっても異なりますが、削れる量はほんの数~数十μm程度だからです。
大量の歯石がとれたことで隙間ができ、歯が細くなったように見えたりするので「歯を削られた!」と思い違いをされる患者さんもなかにはいらっしゃるようです。
せっかく歯石を取ってもらったのに不愉快になった患者さんにとってはもちろん残念なこととは思いますが、
同じく施術した歯医者さん・歯科衛生士さんにとっても大変不幸なお話だと思います。
このような誤解が起きないことを切に願うばかりです。
歯のクリーニングを受けていたら、詰め物やかぶせ物が取れた。
取れたのはクリーニングのせい?
→違います
歯の詰め物、かぶせ物はそもそもクリーニング程度の力では普通取れないくらい強く歯に装着されます。
だから、クリーニング程度で詰め物やかぶせ物が取れるような力がかかることはないのです。
それなのに詰め物やかぶせ物が取れたとしたら、それはいったいなぜ?というと、
・セメントの劣化
・虫歯
・歯の破折
・土台の破折(歯の神経がない場合)
のいずれかです。
まずセメントの劣化について、
年月とともに、歯と詰め物やかぶせ物をつなぐセメントは劣化が進みます。
その結果、維持力が弱まってしまったところにクリーニングで少し力を加えただけで取れてしまった、という事たまに発生します。
次に虫歯。
詰め物やかぶせ物の内部で虫歯が再発し、隙間ができてくると、維持力が弱まります。
歯の破折は、歯自体が折れる、すなわち構造が壊れるので維持力が弱まります。土台の破折も同じことです。
そして実際の現場での頻度ですが、そのほとんどがセメントの劣化か虫歯の2つです。
ただ、何の事情も知らない患者さんにとっては、「クリーニングのせいで歯が取れてしまったのでは?」と思いたくなるのも無理ないでしょう・・・。
上記のことを知っておいていただけると幸いです。
・歯のクリーニングをしたら、歯肉が腫れた。これはどういうこと?
→腫れることもよくある事です
では、そのメカニズムは何でしょう?
歯肉が腫れたということは、炎症が強く出た、ということです。
ここで、もともと健康な歯肉であればクリーニングでよっぽど乱雑に傷つけでもしない限りそう簡単には腫れないことが多いものです。
もちろん、繊細・敏感・薄い歯肉、の場合でしたら腫れる可能性はあるでしょう。
つまり、歯医者さんでクリーニングする前から既にその腫れた場所の歯肉に異常があったというわけです。
そのほとんどの場合は歯周病です。
歯周病、実はギネスブックにも載っているように、世界一罹患している患者数の多い病気と認定されています。
しかも歯周病は沈黙の病気で、症状が無いけど歯周病に罹っている人が案外多いというわけです。
国が行う歯科疾患実態調査でも35~69歳の日本人において約7割に何かしらの歯肉の異常が観察された、という結果が出ています。
ただ、実際に歯のクリーニング後に歯肉が腫れることはあまりありません。
歯周病が進行している人、お口のお手入れができていない人、疲れている人、食事をろくにとっていない人などは歯肉が腫れる確率が高まります。
ご心配や不明点がありましたら、歯医者さんに相談してみてください。